ちょっとひといき
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夏と言えば、花火の季節ですね。
今回は、皆さんが目にする花火と鉄から出る火花についてお話します。

夜空に輝く美しい花火ですが、ここでも金属が深く関わっています
恐らく皆さんもご存知だと思いますが、金属の種類によって燃える時の色が変わります。
これを炎色反応といいます。
この現象を使って、綺麗な花火を演出しているのです。
カリウム リチウム ストロンチウム ナトリウム
金属の違いによって、どんな色になるかは上の表に一例を挙げておきます。

金属棒の先に金属溶液を付着させた物をバナー等で燃やすと金属の種類によって綺麗な炎がでます。

料理する際に、吹きこぼれた汁などがガスコンロの火に着くとオレンジ色の炎が出るのは
食塩(ナトリウム)が反応している為です。

金属特有の現象として、もう1例紹介します。
花火などは、金属の種類によって色が違うことは、分かったと思いますが
実は、鉄(スチール)の成分によっても違いがあるのです。


では、鉄を燃やして見ましょうと行きたい所ですが、少し変えてみましょう。
よく鉄が高速に擦れ合うと火花が出ますが、これを見ると鉄の種類が分かります。
何と、JISにも火花試験方法としてしっかり明記してあります。
今では、材料分析を行った物を使用するのが当たり前なので、この様な試験方法は行っていませんが鉄工所などで材料の判別が出来なくなった時には、簡易的に材料の種類を判別する為に行われています。
実際に素人では判断することは出来ないと思いますが、これを見て判別出来るとは凄いですね。
炭素の含有量によっての火花の違いを一部ですが、表に明記します
面白い事に、ちゃんと名前があります。
とげ(0.05%未満) 2本破裂(約0.05%) 3本破裂(約0.1%)
3本破裂2段咲き
(約0.2%)
数本破裂3段咲き花粉
(約0.2%)

他のもタングステン、ニッケル、クロム、モリブデンの含まれている量によって形も変わってきます。

鉄についての話をしてきましたが、他の金属(アルミ、銅)ではどうでしょうか?
アルミ、銅は、火花は出ません。
空き缶など今では、スチール、アルミと明記してありますが、火花が出なければ
アルミと判断する事は出来るのです。

最後に、線香花火の火は、炭(炭素)が影響してあの美しい飛び方をしているそうです。
今度、線香花火をする機会があれば、
この事を思い出して見れば面白いかもしれませんね。

 
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