ちょっとひといき
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「文字」 は人間ならではの道具でありずいぶん長い間・・・それこそ数千年もの間、表現方法は「書く」という動作であらわされてきました。      ”文字は書くもの”

コンピュータの出現で「文字はキーを打つもの」にもなり、音声認識機能を利用して「文字はしゃべるもの」も当たり前になっています。ここでいうしゃべる文字というのは、文字を表現する手段として”しゃべった言葉”がディスプレイなどに”文字として表示”されることを言っています。

そのうち、文字は思うものになるかもしれません。頭で思った言葉をセンサーとかで認識させて文字化する時代。そう遠くはないと思います。

 
 

そんな「文字」を残す方法としての”書く”という作業。どんな筆記具を使われますか?
今回は万年筆にスポットを当ててみました。日常生活ではもう見なくなりましたが・・・

 

昭和親父が学生だったはるか昔、中学校入学祝のトップが万年筆だったような記憶があります。裕福な家庭では万年筆&シャープペンシルのセットとかにグレードアップしていたものでした。もったいなくて日常では使えなかったですが。  

で、その万年筆、高級品と言われるモノはペン先の材料に金が使われていました。
なぜ金を使用するのでしょうか??
高級感を出すため?        決して外れではないと思いますが

理由は金が持っている性質から来ています。

  「耐酸性」 常時インクが接触するため
  「柔軟性」 強弱のある書き心地を得るための適度な柔らかさ
  「耐摩耗性」 長く使用するため

    バネ性と柔らかさのバランスがよいのが14Kだそうです。(じゅうよんきん)

 
 

何もペン先の材料は金だけではありません。ステンレスも使われています。

ざっとペン先の材質を見てみると

  万年筆には最適
ロジウムメッキをすると淡い金色になります
  ステンレス 加工性が良く量産品に多く使われています
金メッキを施すと多少高級感もでてきます
  プラスチック 非常に安価で加工性バツグン
耐久性が劣るため使い捨てが多い

ペン先をじっと眺めていると


ペン先の先端が少し膨れていて色も違うような気がします。

よく見ると別の金属を付けているようです。

字を書く動作は、紙でペン先をやすり掛けしているようなもの。
いくら耐久性がよい14Kでも削り取られて短くなっていくペン先を見るのはイヤです。
そこで耐摩耗性をあげるため、ダイヤモンドに次いで硬いとも言われている合金玉を付けてあるそうです。

 
 

じゃあ距離にしてどのくらい書けるのでしょうか

というより万年書けるのでしょうかねえ・・・

ネットの世界を旅してみると、とあるメーカーさまのHPでおよそ600万文字とのこと。
1日800字、原稿用紙で2枚分書くとすると1年で292,000文字。

600万÷29万2千とすると およそ20年と半年は使えることになります。

ペン先を3回変えるだけで80年。一生涯使えることになります。
万年もまんざらウソでは無いかと。

さて「万年筆」といわれる条件とは??

各メーカーさまでもいろいろ見解があるようですが、
◎インクが補充できること
◎洗浄(メンテナンス)できること
◎ペン先に硬い合金を溶着していること

どれも万年(長く)使用するために必要な条件だそうです

ペン先には個性がでる

万年筆を使いつづけているうちに人の癖に応じてペン先のすり減り方が形状が変化していき、その人にあった書き心地になり馴染んでいくそうです。ペン先を変えるまでは。

家のタンスや机の引き出し奥に転がっている万年筆。

もしかすると、筆記用具としての最高のパートナーが見つかる”かも”しれませんネ!!



 
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