ちょっとひといき
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30代以上?の方なら聞いた事があるかもしれませんが、昔、形状記憶合金という金属が話題になったことがあります。 意味なく曲がった針金を温めると記憶していたカタチに変身するヤツ(当時のワタシの記憶では四つ葉のクローバー)
最近では、めっきり話題に上がることが無く、そのまま廃れた技術なのでしょうか?
商売がらか金属関連の話題は普通に入ってきます。
まわりの営業スタッフに聞いてみました。
ねえねえ どんなところで使われているか誰か知ってる?
 
* 曲げても壊れないメガネフレームとか・・・
  強引に曲げても、元の形状に戻るのがウリ
 
* ブラジャーに入っているワイヤーとか・・・
  変形しても体温で理想のカタチを保つように
 
* 歯列矯正用のワイヤーとか・・・
  ワイヤーが元の形に戻ろうとする力を使って歯を少しずつ移動させて整えます
地道にガンバッているようでなによりです
上の3例はどれも肌に触れていることで「熱」の影響を受け続けます。
 
熱で変形と言えば、これまた30代以上の方なら思い出すモノが2つほど。
 
* カチッ!という大きな音が気になる「こたつ」や「ホットプレート」の温度調節
設定した温度まで上がると板が曲がりスイッチが切れ、温度が下がれば板が戻り、再びスイッチが入ります。 ノブが押されて
OFF状態
ノブが引かれて
ON状態
熱で曲がり
接点が離れる
 
* 中学校の技術家庭科で作った針で測る温度計
ゼンマイの中心に針を固定し、温度が上昇するとゼンマイが巻き取られるように変形するので一緒に針も回り、針の位置によって温度が分かる仕組みになっています。
  これらは形状記憶ではなく、熱膨張率の違う板を重ねて一定方向の形状変化を利用する方法でした。

今回のお話しの発端は、街で見かけたこんなものから。

詳しい説明書つき!だそうです。

せっかくなので買ってみました。会社の経費で落ちればいいが・・・

で、

やってみました。

step 01 箱から取り出した形状記憶合金と成形用パイプ
 
step 02 形状記憶合金を成形用パイプに通します
 
step 03 成形用パイプをまげて「希望のカタチ」を作ります
 
step 04 アルミ箔でトレイを作りコンロにセット
 
step 05 アルミ箔を袋形状にして”ハート”を焼くを作ります
 
step 06 窯に入れた状態
 
step 07 コンロに火を入れアルミ箔トレイを熱します
 
step 08 トレイが赤くなったらアルミ箔製窯を乗せて焼きます~約20分
 
step 09 急速冷却用の氷水
 
step 10 約20分窯のなかで焼いた”ハート”を一気に冷やします
 
step 11 これで”ハート”のカタチを記憶したことになります
 
step 12 成形用パイプから抜き出すために真っすぐに戻します
 
step 13 成形用パイプから抜き出した”ハート”を記憶した合金線
 
step 14 記憶を呼び戻すためのお湯を用意します
 
step 15 お湯の中で再現された”ハート”のカタチ  記憶は確かでした!!
 
 

 

はは~ん  さては手で曲げたな?
曲がるところが見たい!

そうでしょうね。疑う気持ちはわかります。

コチラへどうぞ。別ウィンドウで開きます。

急速冷却からハートが戻るまで

 


 
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